子離れの必要性
子離れは、人間よりも動物の方が本能的により徹底しているのではないでしょうか?
人間の場合、子離れをするとなるとどうしても感情が入ってきますから、親の側からすると1日でも先延ばししたいと思うのは自然な気持ちなのでしょう。人間社会はある意味では安心なのです。
一方、動物の社会は毎日食べるえさを自分で取ってくる、食うか食われるかの熾烈な世界なのです。もう10年以上も前になりますがキタキツネ物語という題名の映画がありました。北海道の大地で子供を生み、育て、子離れをするキタキツネの姿が見事に描写されていました。
あなたはあの映画をご覧になりましたか?
あの子離れをするシーンでは、誰もが涙を流したはずです。
ある日突然、親ギツネが子供から離れます。子ギツネはいつものように親ギツネについて行こうとしますが、親ギツネは、牙を向いて拒絶します。子ギツネにとっては何が起こったのか途方に暮れますが、次第に様子をおそらく本能的なのでしょうが理解します。人間から見ると悲しい出来事に写りますが、明日がどうなるのかわからない生存競争に生きている野生の動物にとって、いつまでも親がえさを与えて擁護を続けることは、もしかしたら子供たちを悲惨な境遇に追い込むことになるかもしれません。
いつ親がほかの動物の餌食になってしまわないとも限りません。仮にそうなった時でも、子供が自分で餌がとれるように早いうちに自立させます。キタキツネにとって、子離れとは自分たちの身を守ることなのですね。
あの映画は悲しいです。丘の上から子ギツネを見つめるラストシーンは圧巻です。
たぶんキタキツネの親としても、できれば子離れしたくないと思っているはずです。
でも離れなければならない厳しい世界が確かにあります。
われわれ人間は、子離れについてキタキツネ物語から学ばなくてはいけないものがあるような気がします。
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